これまで、XY、SM、SSのそれぞれの環境について印象に残っているカードを紹介してきた。今回は、2023年から2025年に発売された「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット」シリーズのカードについて紹介する。この時期は前シリーズまでと異なり、筆者はジムバトルなどの対面での対戦をあまり行わなかった。その代わり、2023年6月からサービスが開始されたPTCGLというオンラインゲームでポケカを遊んでいた。
対戦環境としては、今シリーズで非ルールのポケモンから進化する「ポケモンex」が登場したことで、非ルールのポケモンがデッキに採用されやすくなった。同時に、前シリーズではあまり見なかった、2進化ポケモンを主軸にしたデッキの使用率が上がった。そのような環境の中で、筆者の印象に残っているカードは以下である。
サーナイトex(SV1S 028/078)

このカードは拡張パック「スカーレットex」に収録されており、ポケモンexの一種である。ポケモンexは今シリーズで新登場したカードで、高いHPや強力なワザ・特性を持つ代わりにきぜつしたときに相手にサイドを2枚とられてしまう。「サーナイトex」の特性「サイコエンブレイス」は自分のトラッシュから超エネルギーを好きなだけ自分の超ポケモンにつけることができ、1体いるだけで大量のエネルギーを自分のポケモンにつけられる。
「サーナイトex」の進化前のキルリアも強く、特性「リファイン」は自分の手札を1枚トラッシュする代わりに山札を2枚引ける。往年の「ゾロアークGX」と似た特性であり、キルリアを複数体立てることでプレイングが安定する。この特性で超エネルギーをトラッシュし、「サーナイトex」の特性で超ポケモンにつける動きが強力だった。

リザードンex(SV3 066/108)

このカードは拡張パック「黒煙の支配者」に収録されている。この拡張パックでは、タイプが本来のものと異なる「テラスタル」のポケモンが初登場し、「リザードンex」もその一種であった。「リザードンex」は本来は炎タイプだが、「テラスタル」することで悪タイプになっている。その影響で弱点は草タイプだが、ワザに必要なエネルギーは炎エネルギーであるため、草タイプに強い炎タイプのポケモンをデッキに採用しやすい。そのため、本来は弱点であるはずの草ポケモンとも互角以上に戦える。
同じ拡張パックに収録されている「ピジョットex」の特性「マッハサーチ」は、山札から好きなカードを1枚手札に加えられる。「マッハサーチ」で「ふしぎなアメ」や「リザードンex」を手札に加えることで、本来は場に出しにくい2進化の「リザードンex」を安定して立てられる。その上、「リザードンex」の特性「れんごくしはい」で炎エネルギーを3枚まで自分のポケモンにつけられるため、エネルギーが不足してワザが使えないということも起きにくい。

タケルライコex(SV5K 053/071)

このカードは拡張パック「ワイルドフォース」に収録されている。たねポケモンでありながら高いHPをもち、弱点のないドラゴンタイプであるため耐久力が高い。しかし、ワザ「きょくらいごう」は自分の場の多くのエネルギーをトラッシュする必要があり、大ダメージが出るものの序盤から連発するのは難しいと思われていた。
ところが、後日登場した「オーガポンex」と組み合わせることで、上記のデメリットを克服し、環境での使用率が大幅に上がった。「タケルライコex」と「オーガポンex」のデッキにはエネルギーが3種類採用されており、一見デッキの安定性が低いように思われる。しかし、グッズ「大地の器」で任意のエネルギーを山札から手札に加えられるため、その心配も不要だった。

まとめ
「ポケモンカードゲーム スカーレット&バイオレット」シリーズで印象に残っているカードを紹介した。非ルールのポケモンの採用率が上がったことで、サイドレースが複雑になり、前シリーズと比べて対戦内容が奥深くなったと感じた。一方、サーナイトやリザードンなど、一部の人気ポケモンが強力なカードになるケースが増え、マイナーなポケモンや新登場のポケモンが対戦環境で猛威を振るうポケモンカードらしさが失われつつあるように感じる。